1.赤いランプの終列車
作詞:大倉芳郎
作曲:江口夜詩
白い夜霧の 灯りに濡れて
別れ切ない プラットホーム
ベルが鳴る ベルが鳴る
さらばと告げて 手を振る君は
赤いランプの終列車
涙かくして 微笑み合うて
窓に残した 心の温み
あの人は あの人は
何日また逢える 旅路の人か
赤いランプの終列車
遠い汽笛に うすれる影に
一人佇む プラットホーム
さようなら さようなら
瞼の奥に 哀しく消える
赤いランプの終列車
2.東京の花売娘
作詞:佐々詩生
作曲:上原げんと
青い芽をふく 柳の辻に
花を召しませ 召しませ花を
どこか寂しい 愁いを含む
瞳いじらし あの笑くぼ
ああ東京の 花売娘
夢を見るよに 花籠抱いて
花を召しませ 召しませ花を
小首かしげりゃ 広重描く
月も新たな 春の宵
ああ東京の 花売娘
ジャズが流れる ホールの灯影
花を召しませ 召しませ花を
粋なジャンバーの アメリカ兵の
影を追うよな 甘い風
ああ東京の 花売娘
3.おんな船頭唄
作詞:藤間哲郎
作曲:山口俊郎
嬉しがらせて 泣かせて消えた
憎いあの夜の 旅の風
思い出すさえ ざんざら真菰
鳴るなうつろな この胸に
所詮かなわぬ 縁の恋が
なぜにこうまで 身を責める
呼んでみたとて 遥かなあかり
濡れた水棹が 手に重い
利根で生まれて 十三、七つ
月よあたしも 同じ年
かわいそうなは みなし子同士
きょうもおまえと つなぐ舟
4.銀座九丁目水の上
作詞:藤浦洸
作曲:上原げんと
夢の光よ シャンデリア
粋なカクテル マンハッタン
欧州通いの 夢のせて
銀座九丁目は 水の上
今宵は船で すごしましょう
浮世ともづな さようなら
こゝは青空 海の上
恋の潮風 しっぽりと
銀座九丁目は 水の上
今宵は船で すごしましょう
遊びづかれの ふたりづれ
月のデッキで 唄おうか
それともキャビンで ハイボール
銀座九丁目は 水の上
今宵は船で すごしましょう
5.小島通いの郵便船
作詞:上尾美代志
作曲:平川英夫
海をへだてた 二つのこころ
思い通わす たより船
いとしあの娘も みかんの木蔭
待っているだろ
小島通いの 小島通いの 郵便船
ロマンチックな 燈台岬
いつか曲って もう見えぬ
やがてあの娘も 憧れ載せて
帰りくるだろ
小島通いの 小島通いの 郵便船
汽笛ひと声 波止場に残し
今日も出てゆく あの船は
昨日ポストに 落した手紙
持って行くだろ
小島通いの 小島通いの 郵便船
6.骨まで愛して
作詞:川内和子
作曲:文れいじ
生きてるかぎりは どこまでも
探しつづける 恋ねぐら
傷つきよごれた わたしでも
骨まで 骨まで
骨まで愛してほしいのよ
やさしい言葉に まどわされ
このひとだけはと 信じてる
女をなぜに 泣かすのよ
骨まで 骨まで
骨まで愛してほしいのよ
なんにもいらない 欲しくない
あなたがあれば しあわせよ
わたしの願いは ただひとつ
骨まで 骨まで
骨まで愛してほしいのよ
7.高原列車は行く
作詞:丘灯至夫
作曲:古関裕而
汽車の窓から ハンケチ振れば
牧場の乙女が 花束なげる
明るい青空 白樺林
山越え谷越え はるばると ララ…
高原列車は ララ…… 行くよ
みどりの谷間に 山百合ゆれて
歌声ひびくよ 観光バスよ
君らの泊りも 温泉の宿か
山越え谷越え はるばると ララ…
高原列車は ララ…… 行くよ
峠を越えれば 夢見るような
五色の湖 飛び交う小鳥
汽笛も二人の しあわせうたう
山越え谷越え はるばると ララ…
高原列車は ララ…… 行くよ
8.無情の夢
作詞:佐伯孝夫
作曲:佐々木俊一
あきらめましょうと 別れてみたが
何で忘りょう 忘らりょか
命をかけた 恋じゃもの
燃えて身をやく 恋ごころ
喜び去りて 残るは涙
何で生きよう 生きらりょか
身も世もすてた 恋じゃもの
花にそむいて 男泣き…
9.湯島の白梅
作詞:佐伯孝夫
作曲:清水保雄
湯島通れば 思い出す
お鳶主税の 心意気
知るや白梅 玉垣に
残る二人の 影法師
忘れられよか 筒井筒
岸の柳の 緑むすび
かたいちぎりを 義理ゆえに
水に流すも 江戸そだち
青いガス灯 境内を
出れば本郷 切通し
あかぬ別れの 中空に
鐘は墨絵の 上野山
10.誰か故郷を想わざる
作詞:西條八十
作曲:古賀政男
花摘む野辺に 日は落ちて
みんなで肩を くみながら
唄をうたった 帰りみち
幼馴染のあの友 この友
ああ 誰か故郷を想わざる
ひとりの姉が 嫁ぐ夜に
小川の岸で さみしさに
泣いた涙の なつかしさ
幼馴染のあの山 この山
ああ 誰か故郷を想わざる
都に雨の ふる夜は
涙に胸も しめりがち
とおく呼ぶのは 誰の声
幼馴染のあの夢 この夢
ああ 誰か故郷を想わざる
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